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院長の一言
徒然なるままに⑤~エマージェンシー
2025/06/24
最近電車に乗っていたとき、同じ車両にいた高齢の女性が突然倒れるという事態に遭遇しました。私は少し離れた席に座っていたのですが、車内のざわめきに気づき、すぐに立ち上がって女性のもとへ向かいました。とっさに脈拍を確認し、意識レベルと神経学的な反応をチェック。幸い、脈もしっかりしており、受け答えも可能で神経症状にも異常は認められませんでした。周囲の方から「お医者さんですか?」と尋ねられる中、サングラス姿で少々怪しく見えたかもしれませんが、「はい」と応じ、確認を続けました。症状は安定していましたが、無理に起こすのではなく、寝かせたまま次の駅で下車してもらう判断をしました。ところが駅に到着しても誰も駅員を呼ぼうとせず、私は思わず「誰か駅員を!」と声を上げました。そのとき「非常ボタンを押したら?」という声が聞こえましたが、誰も行動に移さないため私が押しに行くと、誤って防犯カメラを押していました。動揺していたのでしょう。すぐに近くの方が「隣のボタンです」と教えてくださり、正しいボタンを押すと大きな警報音が鳴り、電車の出発は止まり、ようやく駅員が到着しました。女性はその頃にはかなり回復しており、無事に駅員に引き継ぐことができました。この経験を通して、エマージェンシーには思っている以上に冷静な対応が難しいことを痛感しました。それ以来、警報ボタンの場所など非常時の対応にはより注意を払うようにしています。
