当クリニックについて
院長の一言
COVID-19 その22 暗黒のフェーズ
2020/12/01
Go to キャンペーンの議論に今だすっきりとした結論が出ていない日本。医療と経済の両立を謳う意味も分かるのですが、命がかかる感染症対策が中途半端になっているのも否めません。そのような中、重症患者病床の稼働率がついに50%を超え医療のひっ迫が声高に言われるようになってしまいました。感染者数は指数関数的に増加するのですからこのままでは今後、益々医療がひっ迫することは明らかと言わざるを得ません。さてひっ迫するということがどのような事か、まずは感染者について言えば病状が悪化しても治療する場所や設備が不足するということです。すなわち適切な治療がなされないことがありうるということです。このことについてオランダでは既に6月の第二波の頃からオランダの医療専門家連盟(Federatie Medisch Specialisten)と医療連盟KNMGは重症者用ベッドが不足するいわゆる「暗黒のフェーズ」で誰に優先的にICUベッドを与えるのかについての「プロトコル(手順、規則)」案を発表しました。まさに命の選択に順位をつけなければならないという極めて微妙かつ繊細な課題に対して目を背けることなく、議論していたということです(出典:山本直子氏https://note.com/naokoyamamoto/n/n0dfd77036d42 コロナ第2波に備えてオランダが取り組む「命の選択マニュアル」|Naoko Yamamoto|noteより)。このような命の選択という極めて重大かつデリケートな課題はそれが直面している時期に議論するのではなく、ある程度落ち着いている時期に先を読み行わなければなりません。医療の現場ではエクモや工呼吸器などが限られているがゆえに既に苦渋の選択を始めなければならないところが出ているのではないかと懸念しています。ましてやこのような状況を鑑みれば、我々一人一人が日々何をなすべきか、どのように行動すべきかはおのずと答えは出てくるのでしょう。
