当クリニックについて

院長の一言

西暦の絞込み:

設計図と絵画

2023/12/22  最近ある画家の個展に行く機会がありました。現代と昔の街並みを組み合わせ精緻なタッチで描く事を特徴としており、さらにその中の登場人物も細かく本当に細かく丁寧に描かれていました。会場に入った瞬間からこんな画家が日本にもいるのだと一瞬鳥肌が立ったほどでした。その制作過程も見ることができました。壁一面を占めるほどの大作も原画の過程では方眼紙を用いて下絵を描き、それを徐々に大きくしていく手法、まさに設計図と同じ手法でした。画家の名前は山口晃氏、その精密な絵画だけではなく、メッセージ性も高く思わず一つ一つの作品に釘付けになってしまいました。

スイカ

2023/12/11   コロナ禍を契機に加速度的に進んだものの一つにキャッシュレスがあります。それもタッチレス決裁。その先駆けがスイカでしょうか。私が川崎に赴任した2006年あたりからスイカが世の中に出始め、地方ではその存在を知らなかったのがこちらに来て初めて知り早速スイカを購入し通勤に役立てていました。今ではクレジット機能やアプリの駅ネットと連動し、買い物ができたり新幹線の座席指定まで我が家で出来、チケットレスで改札を通っています。本当に便利な世の中になったものです。でも不思議なのがあの瞬間のタッチでよくもまあ情報が正確にインプットされるのだなと首をかしげている自分を見るにつけ、昔テレビの中に人がいると思っていたそんな笑い話をつい思い出しています。

視野狭窄

2023/11/29   年寄の頑固じじいと世間ではよく言われますが、加齢によって動脈硬化が進み凝り固まった考えを持ちがちなのもその一因でしょう。また齢を重ねると多くの人が瞼が落ちてきます。人によっては加齢性眼瞼下垂などの病名までついてしまいますが、それによって世の中が狭く見えるいわゆる視野狭窄も頑固さの一因になっているのかもしれません。そのような事から最近朝のルーティーンでは風呂に入りながら変顔体操をしています。目を大きく開けることを意識し、そして目の周りの皮膚を伸ばすことを心がけているのですが、写真に映る顔を見ても間違いなく瞼は落ちているなと感じる今日この頃、さて明日も変顔体操をしなければ。

最高気温

2023/11/09  11月になったというのに各地では最高気温が25度を超す‘夏日’なる日が続いています。11月5日には全国測定地点の7か所で30度を超す気温となり、中でも熊本では1890年に統計を開始してから最も高い気温となったとのことです。東京でも28度を記録しこれも100年ぶりとか。今週末からは一転、気温が下降し、北国では積雪の予想も。夏から冬にまっしぐら、四季の美しさを愛でていた日本はどこに行ってしまったのでしょう。今年の紅葉はどこか中途半端な色づきをしているような、そんな気がしてなりません。

国際化委員会

2023/10/24   当院は2015年の開院当初からインターナショナルクリニックとしても意識し運営しています。当初は管理部からの発信と院内整備だけでしたが現在は国際化委員会を作り、定期的にミーティングを行い外国人に対する医療提供のため種々工夫を行っています。その理由として川崎には外国人居住者が多く、加えて羽田に近いことから訪日外国人も多いからです。必要とされる医療を外国人にも特別に意識することなく提供するという考えに基づき、受付には数か国語を話せるコンシェルジュを配したり、問診表や検査説明にも各種言語訳のものを用意したり、通訳用タブレットを用意したりしています。これらのまとめ役をするのが国際化委員会。最近では来院した外国人の方々にアンケートを実施し、彼らの思いを聞き今後の医療の提供に役立てるという活動もしています。また院内スタッフ向けにも会話教室を催したりしていますがそれらの活動を4半期に一度朝礼で披露してもらっています。

検診

2023/10/04   2019年に出たがん検診率に関する国際データによると日本の受診率は先進諸国の中でも高くないとのこと。乳がん、子宮がんの検診率でみると第一位がチェコで受診率は80%以上、2位がオランダ、続いてアメリカ、イタリア、オーストラリア、ドイツ、韓国そして40%台の日本の順です。受けない理由として①受ける時間がない②費用がかかり経済的に負担だから③がんと分かるのが怖い④健康状態に自信があり、必要を感じないなどが挙げられるそうです。日頃から自分の身体に関心を持っていただけたらと思います。当院でもプラチナがん検診を行っています。お気軽にご相談ください。

九品仏

2023/09/21  東急大井町線自由が丘駅の隣駅が九品仏。この字をみてどう読むかわからない方も多いのでは。正解は‘くほんぶつ’。駅を降りると左手すぐに松林に囲まれた参道があり、その奥に浄真寺があります。江戸時代に奥沢城というお城跡に建てられた浄土宗のお寺ですが、その境内の本堂と対面する3つの阿弥陀堂にそれぞれ3体づつ安置されている九体の阿弥陀如来像が九品仏の名前の由来です。その九体を穏やかに見守るように鎮座する本殿の釈迦如来さま。実に心が穏やかになる空間です。四季折々、境内はその表情を変え訪れる人たちを和ませてくれます。私はできる限り毎週末の朝に訪れてはマイナスイオンに浸りそして力をいただいています。

気温

2023/09/06   9月に入ったというのに昨日の川崎の気温は35度でした。最近、軽井沢に行く機会がありましたが別荘族の方々もこれまではクーラーがいらなかったけど昨今の軽井沢の夏はクーラーが必須だと異口同音に言っていました。軽井沢のすぐ近く、東御市にある海野宿に最近家を建てた私の知人のところにはクーラーがありました。完成当初、クーラーは全く考えていなかったそうですがさすがの暑さに急遽設置したとか。マレーシア在住の方からこんな話も聞きました。熱帯気候に属するマレーシアでは夏でも35度を超える日がなく湿度も東京ほどではないとのこと。日本の夏はもはや亜熱帯どころか熱帯気候になってしまったのでしょうか。

加齢

2023/08/21    最近、古希を前にした友人と加齢について話す機会がありました。古希は人生70古来稀なりから来ていますが、古希を前にした我々の年代は白秋から玄冬へ向かう人生を振り返る時期だろうと言う者がいたり、この歳になるとそんな発想が多くなりがちの様です。私は最近見た番組について話ました。千葉県にお住まいのトライアスロンにいまだに出ている90歳の方の話です。トライアスロンそれも私がやっていたオリンピックディスタンス(スイム1.5kmバイク40kmラン10km)ではなくフル(スイム3kmバイク180kmラン42.195km)に今でも参加。その練習風景たるや自転車は若者の如くペダルを漕ぎ、買い物に行くときも常に筋肉を鍛えることを意識しながら歩いているとか。若者たちとの飲み会シーンもありましたがそれこそ違和感なく楽しそうに飲んでいました。Age is just the number. 思わず背筋を伸ばしていました。

オランダから朋来る

2023/08/07   先日オランダ留学時代お世話になった方の娘さんご一家が来日しました。コロナ禍でやむなく来日を延期していたのが日本も5類になり規制緩和の兆しが見えた事から来日したとのこと。訪日外人数のこのところの増加はきっとこういう方々なのでしょう。ご一家は両親と18歳16歳そして14歳の子供たち。母国語はオランダ語ですが英語教育は11歳から必須で2~3年で日常会話には支障ないとか。都内や川崎を案内している時にはもちろん英語でしたが全員会話には支障なく付き合ってくれました。アルファベット民族と非アルファベット民族の違いはあるものの、英語力の上達の速さには驚かされました。  それにしてもオランダ留学から30余年が過ぎた今でも二世代あるいは三世代にわたりお付き合いできること、当時はこのようになるとは夢にも思えないまさに’朋有り遠方より来る’でした。

遠隔診療

2023/07/20 このコロナ禍で各分野が長足の進歩を遂げたものがいくつかあります。医療界では遠隔診療がその一つです。これは患者さんが来院することなく、自宅から電話や情報通信機器を用い医師と直接会話し診療をするシステムです。自宅待機を余儀なくされていたコロナ陽性患者にはとても有効な診療ツールでした。また高齢化社会を迎え、来院が困難な高齢者にも自宅にいながら直接医師と話しが出来、その結果処方もしてもらえるという利点、さらには薬局のデリバリーシステムを使用しお薬を届けてもらう事もできます。この様に診療の上では極めて有効な手段であったものが8月からは電話診療が実質不可となり施設基準を取得した施設が情報通信機器を用いた場合にのみ診療できるシステムに変更されます。これにより、おそらくは情報通信機器を持っていない高齢者の多くはこれまでのような恩恵を受けられなくなります。最近の猛暑で外出を控えるように行政は通達を出しておきながら一方ではせっかくの新しい診療体系を縮小させ、患者側の利便性を奪う事になる事、行政も今一度この点について現実に即した対応をしてもらいたいと思います。

美しい日本

2023/07/06 美しい日本と聞いて皆さんはどんな事を思い浮かべるでしょうか? 自然、言葉、街、歴史的な建造物、さらには音楽、いろいろな道(どう)などなど。私が真っ先に想いうかべるのは雄大な富士山の姿、満開の桜でしょうか。そうそう様々な彩の紅葉もありました。新緑の頃、豊かな雪解け水を奏でる滝もまた美しいものですし、青空に映える樹氷もそれは美しいものです。やはり美しい日本に欠かせないのは四季のうつろいなのかなと。今年の梅雨は雨の日と思ったら蒸し暑い日々が続くなど不完全燃焼的なものでした。思わず亜熱帯と思わせるような昨今、これも温暖化現象のせいなのでしょう。古き時代から受け継がれてきた美しい日本を私たち一人ひとりが知恵を絞りながら後世に残していかなければなりません。

医療の進歩

2023/06/23  医療界に属して早40余年、世の中の進歩とともに、医療もいろいろなものが進化してきました。今では当たり前な検査となっている超音波エコー、これは私が医師になりたての頃にようやく世の中に現れました。覚えたてのつたない技術でも多くの開業医の先生からお呼びがかかりました。そんな時代でした。CTも1分近く息を止めていなければなりませんでした。このため子供のCTでは鎮静剤まで使っていたそんな時代でした。MRIは無論世の中にありません。PET検査が出たころは医師ですら今でいうペットケアと混同していました。外科の分野では私が医師になって10年目の頃、腹腔鏡外科手術手技が現れました。その当時その新しい技術にチャレンジした医師と開腹術にこだわっていた医師が2分され、前者が長く生き残れました。今ロボット支援手術が外科の領域を席捲し始めているのと同じ状況がその当時ありました。電子カルテの出現も日常診療を一変しました。この先医療はどのように進化し続けるのでしょうか。IT、AIそしてチャットGPTの応用など、今後の展開が楽しみです。

朝のルーティーン

2023/06/05   老いるほどに朝方になると聞いてはいましたがこれほどまでに朝方人間になろうとは思ってもみませんでした。この3年間の生活の変化、夜のお付き合いが皆無となったために帰宅する時間が早くなり、寝る時間も早くなったのがどうやら影響しているようです。夜が白けてくる頃には自然に目が覚め、寝ぼけ眼でピアノに向かい30分、それからコーヒーを立て朝風呂に入り、コーヒーを飲みながらベランダで語学を30分、これを日課としてかれこれ2年半。今では欠かせないルーティーンになっています。夜明けに目覚め、日没と共に就寝するのが動物たち。これが生物の本来の姿であろうと齢をかさねるにつれ自然に近づいていく老後をこんなところでも肌で感じている今日この頃です。

COVID-19 その80  COVID-19シリーズ終了にあたり~

2023/05/09   我が国のコロナ禍から3年超、コロナ感染症がついに5類になる日が来ました。東京都の陽性患者数発表も5月8日で終了し今後は定点調査報告のみとか。まだ街にはマスク着用者が目立っていますが非着用者数も徐々に増えてきており、何より彼らへの違和感、そして差別意識も薄れてきているようです。病院も患者さんへの面会再開のマニュアルを決め、今月22日から実施されるとか。このシリーズを始めた2020年2月19日の文章で’歴史の生き証人としてこの成り行きをしっかり見据えて行きたいと思います’と書き私の想いをその都度したためてきました。今この3年間を振り返りいろいろな事が走馬灯のように思い出されますが、シリーズも終わりの時期に来たかなと感じています。このような状況に再び人類が襲われた時、本シリーズを振り返り、しっかりと対峙したいと思います。

COVID-19 その79 LINEとコロナ

2023/04/26 今朝、何気なくLINEを覗いていたら‘お知らせ’で‘国内感染者数の推移’と‘都道府県別感染状況’は本日が最終の配信となります。とありました。このコロナ禍の中、いつの頃からか、LINEに入るたびに目にしていた感染状況、ついにこのような日が来たんだと本格的に来るであろうコロナ離れの先駆けの感を持ちました。コロナ禍でのLINEは政府も重用するほど一般化し、わが国では通知ツールとしても日常生活に欠かせないものに今ではなっています。今後も新たな感染症に見舞われたとき、あるいは災害が起きた時などにも早く対応してくれるのではと期待しながらこれまでの3年間本当にごくろうさまでしたと今は感謝の気持ちで一杯です。

COVID-19 その78 あと一か月あまり

2023/04/06 ここ川崎では桜吹雪も一段落し、本格的な新緑の候となりつつあります。コロナ感染が2類から5類へ変わる5月8日まであと一か月あまり。各医療機関ではスタッフの行動規範の変更、感染時の出退勤の規則変更、濃厚接触者の定義もなくなった今、同居者が感染した際の出勤可否の規則などについて見直しが始まっています。病院でもこれまで面会謝絶をはじめとして種々制限していた事もおそらくは緩和の傾向になっていくのでしょう。各医療機関はこの一か月、いろいろな意味で頭を悩ます時期になりそうです。

COVID-19 その77 マイアミの勝利

2023/03/23 侍Japan がやってくれました。大谷そしてダルビッシュを擁し世界一を目指せる代表と前評判も高いでしたが現実は甘くなく、思わず息をのみ手に汗握るシーンが数多くありました。圧巻は準決勝のメキシコ戦、これぞ筋書きのないドラマ、事実は小説より奇なりという言葉をつい思い浮かべるような劇的な展開そして勝利でした。また決勝での投手の継投策、そして不振の続く選手を使い続け彼へのさりげない後押しの言葉等々。さすが栗山流采配と名将ぶりをいかんなく発揮させましたし、組織を預かる身としてもその様子は大いに参考になりました。それにしてもマイアミの風景と日本の風景があまりにも違い過ぎるのにも驚きました。3月13日の解禁後も街の風景は依然としてマスク着用者が大多数。はてさていつまでこの風景は続くのでしょうか。

COVID-19 その76 自己判断初日

2023/03/13   マスク着用自己判断開始日、果たして街の風景はどのように変わるのかと興味津々に思いながらの朝の通勤時間、道行く人々のマスク着用率を観察しました。非着用者はさっくり数えてわずかに1~2割。大半は着用していました。みんなで渡れば怖くないの発想なのかあるいは感染症に対して真面目に防止策を講じようとしているのか。誰かが言っていましたが前者のようなふるまいはかの十七条憲法の‘和を以て貴しと為す’から連綿と続いているのだとか。これからの数か月、街の変化を見ていくのが楽しみの一つになりました。

COVID-19 その75 医療ルネッサンス

2023/03/02 今、医療の世界に治療用アプリが導入されつつあります。コロナ禍を契機に対面による診療を希望する事が躊躇されるようになり、オンライン診療やこのようなアプリを用いた治療が次第に医療の世界に入ってきているのです。すでにニコチン依存症に対する治療用アプリが2020年に保険収載され、高血圧治療用アプリが2022年9月に収載されました。そのほかの疾患も現在治験段階にあり、早晩収載されるようです。これまでの薬剤による治療、医療機器による治療に加え第三の治療法と言われまさに医療ルネッサンスを思わせる時代になりました。ちょうどペスト病流行の後にルネッサンスが始まったとおなじようなポストコロナ時代がまさに始まろうとしています。

  • 1/2ページ
  • 1
  • 2
  • >