当クリニックについて

院長の一言

西暦の絞込み:

仕事納め2020

2020/12/29 この一年コロナ禍に翻弄され、四季の移ろいを感じぬままに過ぎてしまいました。今日は仕事納め。スタッフに以下の言葉を伝え締めといたしました。 来年こそ夜が明けますように・・・・。       ~2020年仕事納めにあたり~ 2020年.平穏な元旦で始まったのも束の間、コロナに明け暮れた一年でした。コロナという目に見えない共通の敵を相手に皆が一丸となり、決して怯むことなく必要とされる医療を継続し続けた一年でもありました。常にその時々の状況を把握し、情報を共有しながら幾多の困難も乗り越えてきました。皆さんの医療に対する心意気は勿論のことですが、各種取り決め、玄関そしてセカンドトリアージなどの環境整備さらにはこれまでになかったTeamsなどの連絡ツール、Web会議そしてリモート診療、電話診療などをいち早く取り入れてきました。まさにnew normalを実践できた一年だったと思います。年頭には総合専門外来の一層の充実、入院支援センターの本格稼働、ケモ外来、日帰り手術室の安全な運営と利用者数の拡充、オリンピック年のinternational clinicとしてのレベルアップなどを掲げました。果たしてそれらのいくつ実践できたでしょう。しかしこれらの目標の到達よりもこのような状況下でまずはスタッフみんなが健康で過ごせたことこそが最も喜ばしいことでした。  今年の標語、臨機応変そしてProfessionalismはあたかもコロナ禍を予想していたかのようでもありましたが来年も常に時代をそして社会を一歩先んじての一年で有りたいと思います。今年一年本当にご苦労様でした。心より、感謝申し上げます。良いお年をお迎えください。 2020年12月29日          院長 関川浩司

COVID-19 その23 普通の生活に全力を尽くす

2020/12/18 昨日、東京のコロナ感染陽性者数が822名と報道されていました。この数字を見て驚き恐怖に駆られる人、これから益々増えていくであろうと冷静にとらえている人など様々な人がいることでしょう。大事な事は日頃からの備え、‘うつらない’そして‘うつさない’。でもそろそろ‘うつった時にどう対処して行けばいいのか’メンタル面、生活の面からも備えておかねばならなくなってきているようです。最近、作家の沢木耕太郎氏がこんなことを書いていました。かの大女優吉永小百合さんと修善寺で対談予定だった際、自分は電車で向かっていたのですがなんとその車両に吉永さんが2人連れでちょっと観光にという出で立ちで乗ってきたそうで、それが沢木氏の目には‘普通’に映ったそうです。そんなエピソードについて彼は‘吉永さんはあらゆる意味において普通だった。スターである吉永さんはある時期から’普通‘でありたいと願い、そのように生きることを意志している方だったのだ。~中略~細心の注意を払いつつ、全力で普通でありつづける。細心も、全力も、普通ということは相反する言葉であるかもしれない。~中略~ウイルスの流行というこの特別な状況においては、やはり’細心‘と’全力‘が普通であるために必須のものであるに違いないのだ。’私たちはこのような状況にあってまだ普通の事を当たり前に出来ると思っているのではないでしょうか。普通の生活が出来ることが当たり前だったのは既に昔の事、今は普通の事を細心かつ全力でする時代になってしまったことを一人一人が自覚しなければなりませんし、普通でなくなった時の心構えもしっかりしていなければならない、そんなことを改めて考えさせられました。

COVID-19 その22 暗黒のフェーズ

2020/12/01 Go to キャンペーンの議論に今だすっきりとした結論が出ていない日本。医療と経済の両立を謳う意味も分かるのですが、命がかかる感染症対策が中途半端になっているのも否めません。そのような中、重症患者病床の稼働率がついに50%を超え医療のひっ迫が声高に言われるようになってしまいました。感染者数は指数関数的に増加するのですからこのままでは今後、益々医療がひっ迫することは明らかと言わざるを得ません。さてひっ迫するということがどのような事か、まずは感染者について言えば病状が悪化しても治療する場所や設備が不足するということです。すなわち適切な治療がなされないことがありうるということです。このことについてオランダでは既に6月の第二波の頃からオランダの医療専門家連盟(Federatie Medisch Specialisten)と医療連盟KNMGは重症者用ベッドが不足するいわゆる「暗黒のフェーズ」で誰に優先的にICUベッドを与えるのかについての「プロトコル(手順、規則)」案を発表しました。まさに命の選択に順位をつけなければならないという極めて微妙かつ繊細な課題に対して目を背けることなく、議論していたということです(出典:山本直子氏https://note.com/naokoyamamoto/n/n0dfd77036d42 コロナ第2波に備えてオランダが取り組む「命の選択マニュアル」|Naoko Yamamoto|noteより)。このような命の選択という極めて重大かつデリケートな課題はそれが直面している時期に議論するのではなく、ある程度落ち着いている時期に先を読み行わなければなりません。医療の現場ではエクモや工呼吸器などが限られているがゆえに既に苦渋の選択を始めなければならないところが出ているのではないかと懸念しています。ましてやこのような状況を鑑みれば、我々一人一人が日々何をなすべきか、どのように行動すべきかはおのずと答えは出てくるのでしょう。

COVID-19 その21 第3波

2020/11/20 つい10日前、北海道の陽性患者数が200名と書いたばかりでしたが、今日の報道では300名台の見通しとの第1報が入ってきました。東京では昨日からついに500名越え。やはり第3波は確実にやってきているのでしょうね。そのような状態でも国はGo toキャンペーンをやめる気配もなく経済との両立をいまだ謳っています。医療体制は今後どうなっていってしまうのでしょう。先日川崎市で行われた医療連携に関する市民公開講座に招かれコロナ禍で医療施設の機能分化が益々明確となったと講演してきました。エクモをはじめとした高度な医療を提供できる重症の方のための病院、中等症のための医療施設そして軽症者はホテルや自宅へ。それを曖昧にすれば一般医療までカオス状態に陥り真の医療崩壊につながってしまいます。オーバーシュートしてしまえば、機能分化どころかすべての受け入れ先が不足し、通常の医療まで影響されます。経済のサポートの論理もわかりますが、ウイルスは両立を果たして許してくれるでしょうか?我々医療者はウイルスの進展力の異常な強さそして巧みさを知っているだけに警鐘を発しているのですが・・・。飲み会の人数ではなく、一人でも感染者がいて自身の防御が出来ていなければ感染してしまうことは医療者ならずとも知っていると思います。一人一人が危険回避と感染防止対策をとる事の徹底を声高にし続けなければなりません。

COVID-19 その20 第3波?

2020/11/10 北海道の陽性者数が200名という数字が報道されました。東京の陽性者数としても多いと感じる数字が北海道の数であるとは、、、北国の低温乾燥した地域に第3波が本当にやってきたのでしょうか?ヨーロッパでの陽性者数の増加そして医療の疲弊など、ちょうど北海道と緯度を同じくする西ヨーロッパの国々の出来事が遠い事ではないような気がしてなりません。冬場に備えて診療・検査体制の構築とこれまでの体制の見直し、見えない敵に対する備えはやりすぎるという事はなさそうです。期待されるワクチン開発も臨床応用は来年の春ごろとか、我が国が得意とするより安全な不活化ワクチンの臨床応用に至っては来年末、ともすれば再来年の春ごろとか。まだまだ先は長いようです。立冬が過ぎた今、日本人の誰もがいまだ経験していないコロナ禍の冬をどう乗り切るか、一人一人の自覚が最も大切なことは言うまでもありません。

COVID-19 その19 神無月

2020/10/21 神無月も既に20日も過ぎ、朝夕の寒さが一層厳しくなってきました。今年はコロナ禍のためいつの間にか季節が移ろい、衣替えもままならない今日この頃です。変わらないのは相変わらずのマスク着用。さてその神無月、年に一度 全国の八百万(やおよろず)の神々たちがいろいろな相談ごとをするため出雲大社に集まり、そのために各地の神様たちがいなくなるというのが由来だそうです。しかし今年は各地でコロナ禍に対する祈祷が行われていますし、神無月などと言っていられない状況ですね。神様たちも往ったり来たりさぞや忙しいことでしょう。と思っていたらやはり各地にはお留守番の神様がいるのだそうでそれが‘恵比須様’。こうした留守神様を祭るために10月に‘恵比須講’をするところが多いのだそうです。今、西ヨーロッパが再びコロナ禍で大変な時期、八百万の神様たちには是非日本の奇跡を見守っていただきたいものです。

COVID-19 その18  Go to キャンペーン

2020/09/28 長月9月もいつの間にか終わろうとしています。猛暑が続いた日々もさすがにこの頃は落ち着きを見せ、秋の気配がそこかしこに感じられるようになりました。社会ではコロナとの共生そして経済の再生を掲げ、10月からは東京も含めたGo to キャンペーンの実施や長らく鎖国状態となっていた諸外国からの往来も再開するとか。経済論理から行けばいたしかたないこととは思いますが、やはり医療の世界に身をおくものとしては感染症の怖さを知っているだけに慎重になってしまいます。これまでの半年の自粛の成果がこのような経済活動の再開でどのようになっていくのか。ヨーロッパ特にイギリス、フランスそしてスペインでは再びコロナ禍が猛威をふるっているとの事。日本には ‘神風’のように諸外国とは違う風が果たして吹き続けてくれるのか、心配の種は尽きません。ただ一つ言える事は一人一人の自覚の大切さ。他人を思いやる心、すなわち‘うつらない’そして‘うつさない’の気持ちと予防に関するこれまで言われてきた基本的な事の継続しかないのでしょうね。キャンペーンそして規制解除という文字に踊らされる事なく、愚直なる継続を粛々と行っていきましょう。

COVID-19 その17 マスクと夏

2020/09/10 いつの間にか重陽の節句も過ぎてしまいましたが今年はまだ夏の暑さの余韻が色濃く残っています。‘夏だ!海だ!’と水しぶきを上げ、うちわを扇ぎながらかき氷やスイカにがぶりつき、そして夜空を見上げ大輪の花火を見ながら大ジョッキで冷えたビールを一気に飲み干すといったいつもの夏の風景がどこかに行ってしまいました。街では暑いのにもかかわらずマスクを着用。そして東京駅の一角にはついにマスク専門店まで現れたとのこと。いつの間にかマスクが常用化され、マスクをしていない人を街で見かけると違和感を感じてしまう風潮があるようです。もちろん、公共の場所や人が大勢集まるところででのマスク着用は他の方への配慮も含め必要ですが、ソーシャルディスタンスをキープし大声でしゃべったり、食べたりしていなければマスクははずしてもいいと思います。  半年が過ぎ、コロナとの相対し方を多少とも学びつつある今、決して疑心暗鬼にならず、偏見など持たず、そして差別することなく皆で笑顔で暮らせる社会をキープしたいものです。

COVID-19 その16 コロナ禍と学会

2020/08/14 久しぶりに学会に参加しました。と言ってもこのコロナ禍ですから会場に赴くわけではなくWebでの学会参加です。各演者、各座長ともそれぞれの職場にいての発表と司会。最初は不思議な感覚でしたが、私も職場に居ながら演題に集中し、ディスカッションを聞くことが出来、また発表ブースをたちどころに移動できいろいろな発表を聴けるというメリットもありました。これがコロナ禍がもたらしたnew normal。本当に素晴らしい企画です。日常の診療に忙しく学会会場に足を運ぶ事のできない人もそして会場から遠隔地に住んでいる人も自分の施設に居ながら参加できる事、そして空いた時間を利用してリアルな発表も聞けますし、聞き逃した発表も後日オンデマンドで配信されるスライドを見ることもできます。今後の学会はこれまでのように会場に赴く形式とこのようなWebでの参加の二形式で行われるのではないかと思います。ただ若い諸君にとっては地方で行われる学会の場合には学術もさることながらその土地の名産に舌鼓をうち他施設との交流や医局員達との親睦のノミニケーションがなくなるというデメリットもある事は事実でしょうが。  コロナを契機に時代は加速度的に変化を遂げていると実感ししたひと時でした。

COVID-19 その15 てんでんこ

2020/08/08 感染者数の増加が止まりません。これまでは大都会での感染数の増加が言われていたのが沖縄をはじめとした地方での増加がみられています。人口比にしたら東京よりも多く、そして検査件数の増加の影響だけではなさそうです。また感染傾向としていわゆる‘夜の街感染’から‘家庭内感染’に移行、年代も40代、50代が多くなってきているとのこと。まさしくウイルスは巧みに私たちの社会にいろいろな手を使いながら浸透しているということですね。それも手を変え品を変えたえず変化をしながら….。救いは日本人の重症化率や死亡率が低いということ、これについてはいろいろな説があるようですが、これといった理由はまだないようです。地方での流行は大都会と違い医療施設も少なく、さぞや現場のご苦労はいかばかりかと案じてしまいます。家庭内感染についてもしかり。家庭での過ごし方などメディアを通じ専門家と称する人たちがいろいろと述べていますが、結局は自分が感染しない、させない事が大事です。ではどうするか?常日頃の咳エチケット、事ある毎の手指の消毒、会話などの際には相手との距離を考えたり、感染しやすいと思われるところには行かないというような感染を家庭に持ち込まないような基本的な事をするしかないのでしょうね。めいめいがという意味のてんでんこ。これに尽きると思います。

COVID-19  その14 1237

2020/07/30 1237何の数字かわかりますか?我が国で初めて1000名を超えた昨日の新型コロナ陽性患者数です。ついひと月前までは100名にも満たなかった数がわずか一か月余りで10倍以上に。また半年間感染者数が0であった岩手県も昨日ついに陽性患者が2名出てしまい、さらには各地で過去最高の感染者数を数えています。それにも関わらず、国は以前としてGo toキャンペーンの実施を継続しています。誰が見ても‘今じゃないでしょ’と言いたくなるような中途半端な政策。以前このコーナーで政治は我々の命がかかっている、一票の重みは大きいと書きましたが今の思いを国民一人一人がしっかりと胸に刻んでほしいと思います。今、新型コロナに対する対応について医学的論理からと経済的論理から専門者会議、識者、あまたいるコメンテーターから出て百花繚乱の感があります。皆それぞれの立場では正解の論理、それを両立することができないジレンマに陥っているのが実情でしょう。まさしく医療と経済の二律相反。しかしこのまま感染者数が倍加的に増加し、その影響が高齢者や持病を抱えている方々に出てしまったら医療はひっ迫し通常の医療すなわちがんや血管系さらには救急といった医療が回らなくなるのは自明です。命あっての社会、健康あっての経済と私は思っています。揺らぐ政策の中、結局一人一人が自身の身を守るほかないのでしょうね。

COVID-19  その13 災い転じて

2020/07/14 コロナ禍がもたらしたもの、日常と思われていた事が非日常となってしまったこと,仲間たちと大声でしゃべったり、笑ったりする飲み会、ライブやコンサートへの参加そしてスポーツクラブでの運動など。非日常と思われたものが日常となってしまったこと、マスクの着用、検温、神経質なぐらいのアルコール手指消毒、ソーシャルディスタンスのキープ、日々の生活歴の記載。数えきれないぐらい風景が変わってしまいました。一方では新たにもたらしてくれたものもありました。オンライン診療、テレワークなどITの目覚ましい進化。3月初めには当院の3役でテレビ会議を始めました。会議と言ってもスマホ画面を通してのミニ会議ですが、このような落ち着かない世の中だからこそ新たな事をやっていこうという乗りで始めました。おそらくこの騒動がなかったら決してしなかったであろうテレ会議、こんなにも簡単に出来てしまうことにまずは素直な驚きでした。そしてWeb会議も日常的な風景になりました。まさに災い転じて福となすを意識する日々です。そうそう夜の街に出る機会もなくなってしまった今、家庭菜園を始めハーブティーを飲む習慣がつきました。また市販の牛乳を使ってのヨーグルト作りを始め、そのヨーグルトを使ってのチーズ作りも始めてしまいました。これも一種の災い転じて・・・でしょうか。何事もpositive thinking。こうやって人類は闘いながらも進化してきたのだと、歴史書を紐解いては納得している昨今です。

開院5周年にあたり

2020/07/01 2015年7月1日、石心会発祥のこの地に新しい総合専門外来が誕生しました。その日は朝から雨でした。朝礼の席でスタッフに‘雨降って地固まる’‘真っ白なキャンバスに色とりどりの絵を描いていこう‘と述べた事を昨日の事のように覚えております。それから丸5年が過ぎ、全国でも珍しい総合専門外来として今日まで大過なく歩んで参りました。開院当時、外科系消化器系総合専門外来として銘打っておりましたが今では外科系消化器系、心臓・血管系、脳血管系総合専門外来となりました。また日帰り化学療法センターではがんに悩む方々に寄り添い、日帰り手術センターでは美容形成外科、下肢静脈瘤、婦人科、外科を中心に月60件を超す手術を行い、充実したものとなりました。さらにはinternational clinicとしても体制を整えてきました。  時あたかもコロナ禍の今、世間ではそして医療界では未曾有の困難が私たちに襲いかかっています。このような大嵐の中も私たちはより良いそして必要とされる医療提供のためにひるむことなく一歩、一歩前進しなければなりません。コロナの後の世界はどんな風景が私たちを待っているでしょう。‘大雨降って必ずや地はさらに固まる’そう信じています。年頭に掲げた今年の標語は‘臨機応変’‘professionalism’でした。まさにこの災難を予感したかのような標語となりました。この言葉をスタッフ一人一人がしっかりと心に刻みながら一丸となり6年目を進んでいきたいと思います。                     2020年7月1日                社会医療法人財団 石心会                第二川崎幸クリニック 院長                       関川浩司

COVID-19  その12  公衆衛生学

2020/06/23 8,954,692人 468,375人 この数字は何を表しているでしょう?2020年6月22日午後4時現在の世界のコロナウイルス陽性患者数とそれによる死亡者数です。このような数字をたちどころに収集し、世界に発信しているのが米国ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター。今や世界中のメディアがここから発信されるデータを利用しているのです。これまでにない迅速な発表により世界の動きをいち早く知る事ができ、見えない敵である新型コロナウイルスに対する対策を講じる上で重責を担っています。この情報を発信しているのがセンターの共同ディレクターであるLauren Gardner率いるチーム(COVID-19 ダッシュボードチーム)であり、そのきっかけとなったのが一人の中国人大学院生Ensheng Dong。彼は本年1月中国での新型コロナウイルス感染の拡大兆候を見て、すぐにダッシュボードを作成。それを1月22日にTwitterでシェアしたところ瞬く間に注目を集めたとのこと。発想もさることながらその拡散方法も今風である事に驚き、対COVID-19 はPCR検査を始め医学のあらゆる分野が現在持つ力を結集し総力戦で行っています。これまで医学統計学をはじめとする公衆衛生学は医学の世界でも地味な分野に属し、あまり注目されていませんでしたが、今では毎日彼らの発する数字に全世界が注目しています。日本では17,629人、961人(いずれも6月22日午後8時現在)。果たして来月の今頃はどんな数字になっているのでしょうか。

COVID-19 その11  ボランティア

2020/06/12 今回の禍では物流の面でもかなり不安に感じていた時期がありました。4月初旬から中旬の頃、世間では連日患者数が増加し、明日をもわからない時期、医療現場でもマスク、手指消毒剤、ガウン、フェイスシールドなどの納品が滞った時期でもありました。そんな中、全国の多くの方々がボランティアとしていろいろ工夫し医療を支えてくれました。マスク作成の型紙を作ってくれたり、クリアーファイルから簡単なフェイスシールドを作成する型紙を送ってくれたり、、ポリ袋から防護ガウンを作成したりする活動が始まりました。秋田に住む友人のデザイナーに相談したところ、瞬く間にポリ袋と幅広テープでガウンを創るデザインを創作。その型紙を画家、スタイリストさらには書家の方々などの友人たちと共有し、友人たちはそれぞれの時間を見つけながら作成してくれました。その数100着超。作りもしっかりとしていてさすがクリエーターの方々の作るものは一味違うなと感心させられ、その絆に心から感謝した次第。第一波が多少とも安定した昨今、物流も安定してきました。しかしながら第二波に備える準備を怠る事はできません。本日東京アラートが解除されたものの、まだ首都圏では連日陽性患者は発生してます。医療界は当分気を緩めることはできないようです。

COVID-19 その10  励ましの活動

2020/06/03   COVID-19流行からこのシリーズもついに10回目を迎えました。非常事態宣言も解除となり第一波は一応の落ち着きを見せてはいますが東京アラートが発出されたようにまだまだ油断はできません。New normal ・・・皆、マスクをし、距離を取り、手洗いをし・・・。そんな中、各界の方々が暗い世の中を少しでも明るくしようと私たちを励ます活動に取り組んでいます。医療従事者を励ますという意味で53日間の自宅ライブを敢行していた小曽根真さんは先日そのファイナルをサントリーホールから中継していました。このようにWeb演奏会を催してくれている音楽家たち、歌を紡いで癒してくれる多くの歌手たち、Stay Homeでのストレッチを披露する多くのスポーツ選手がいます。そんな中、久々に自ら毎日ミシンを踏みながらマスクガードを作っているロンドン在住の私の知人のファッションデザイナーがいます。題してTHE POWER OF FASION2020, from Michiko Koshino。送っていただいたマスクガードに添えられたメッセージには‘このマスクガードを市販のマスクと一緒に使用することで、気分が少しでも明るくなってほしいし、暗い時期こそ何か明るさを見つけないといけないでしょ。’とありました。マスクを着用することが当分の間、当たり前になっていくであろう今、カラフルなマスクが街にあふれれば、みんなの気分もきっと明るくなると思います。新型ウイルスとの長期戦、毎日を明るくそして前向きにです。

COVID-19 その9 怯むことなく・・・

2020/05/20 全国39の県の非常事態宣言が解除になりました。4月から既に一か月以上たち、ようやく新型ウイルスの第1波の攻撃が多少緩みをみせ、この戦場にも光明が差しこんできたようにも思えます。しかし敵もさるもの、新型ウイルスはなかなかのやり手です。ちょっとでも気を緩めれば、彼らは少しの隙をついてまた暴れ出します。決して油断せず、マスク着用、ソーシャルディスタンスのキープ、手洗いの励行を行い続けなければなりません。その意味ではワクチンが製造されるまでは気を緩めることはできないでしょう。特に医療界はもちろんの事です。感染流行前は病気を治す事だけを考え医療施設に行けばよかったのが新型コロナ以来、医療施設に足を向けること自体が手控えられ、また待合室では隣の方の存在が気になるという声も聞かれます。内視鏡検査や手術に至っては自粛の見解が学会から流されています。これらによるこれまでの病気の進行や発見の手遅れという弊害も考えなければなりません。いろいろな企業が守るべき基準があるように、いやそれ以上に身体を預かる私たち医療従事者は感染防止対策を考えなければなりませんし、そこから力を抜くことは当分なさそうです。安心して必要とされる医療が今後も受けられるよう、システムや環境整備を行い、怯むことなくよりよい医療の提供を行っていきたいと思います。

COVID-19その8  選挙

2020/05/09 4月に出た非常事態宣言が一か月延長になり、報道そしてコメンテーターがいろいろな角度からこれを論じ百家争鳴の感があります。そのような中、異彩を放つのが大阪府知事。国の非常事態宣言延長の発出に対して終了基準について提示されていないとの視点から大阪基準なるものを発表しました。それによると感染経路不明者が10人未満。陽性者率7%未満、重症者ICU60%未満、これを一週間続けられれば規制を緩和するとのこと。数値による説明は誰もが納得しやすいし、具体性があります。加えて達成度を色で市民そして府民に伝えるのだそうです。照らす対象として選ばれたのが川崎にゆかりの岡本太郎が大阪万博の際に作った太陽の塔。非達成は赤、達成した日は黄色、そして一週間達成し段階的緩和開始となった際には緑色に照らすそうです。内容の評価については専門家にお任せしますが、データに基づいた情報共有と周知そして意識づけを行うというわかり易い取り組みに府民、市民のうけもまずまずとか。新型ウイルスは指導者の力量を試し、そして政治の大事さを私たちに教えてくれています。これほどまでに政治が私たちの生活そして命にかかわっていると国民全体が感じたのは戦後初めての事ではないでしょうか。政治の行方を選ぶのは選挙です。これからは一人一人が選挙にたいしてこれまで以上に慎重にそして強い関心を持ち、関わっていってほしいと思います。

COVID-19 その7 ~花鳥風月~

2020/05/01 今年の4月はどこに行ってしまったのでしょう。まさに‘花のいろはうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに’の心境でした。 最近では花が盛りの藤棚やチューリップの花が摘まれていることをニュースで知りました。目的は感染予防ということですが、、、そのニュースが流れたとき花を摘むということと感染予防との関係が結びつかず理解するまでに多少の時間を要しました。美しい花を愛でるために大勢の人たちが集まってしまう、それが感染の原因となるから花を摘み、人払いをするのだとか・・花に罪はないのに、花鳥風月をこよなく愛する日本人の心まで摘まれてしまったようなそんなさびしい気持ちになりました。確かに人が大勢集まる事は今、絶対に避けるべきですが、それを阻止するために果たして花を摘むことが必要だったのか・・担当の方は日頃から愛情を込め花を育てているだけにおそらくは私以上に、摘む事に対してかなりな想いがあったでしょうし、もちろん他の方法も考えた事でしょう。こんなところまで新型ウイルス感染の影響がでているとは・・・皆が各分野でそれぞれに頑張っているとき非常事態だからこそ一人一人が守るべきところは守っていただきたいと思っています。  今、医療界は新型ウイルス感染と戦いそして院内感染と戦っています。物心ともにギリギリのところで医療者は頑張っているのですから、どうか皆さんも心を一つにして戦って欲しいと思います。一人一人の自覚でそれができると思います。花を摘むこともなく・・・。

COVID-19 その6 ~当院の診療について~

2020/04/21  新型コロナウイルス感染者数の増加、全国に発せられた非常事態宣言、院内感染多発によるがん医療、救急医療など日常診療のひっ迫、,そんな中、外科系消化器系,心臓循環器系,脳外科系、血管系総合専門外来としての当院は必要とされる医療を可能な限り提供し続けるため、スタッフ一丸となり連日粛々と医療に当たっています。今や市中感染となった感のある新型コロナウイルス感染ですが来院される方々への安全な医療の継続のためにまさに本年の標語professionalismをスタッフ一人一人が胸に刻み、このような困難な時期にもひるまずに相対しております。来院される患者さんそしてスタッフの安全確保が最優先と考え、種々対策を講じております。本日HPのトピックスに’当院の診療について’をアップしました。ご参照ください。また日々、感染防止策の立案/実行、状況に応じた診療体制の構築、スタッフの院内外での行動規範の作成、物流面の対策などを行っております。病状の変化が速い新型ウイルス、社会情勢の変化もそれに劣らずの早さであり、今後も情報収集に努め、状況を正確かつ迅速に判断し、そして一歩先んじての決裁を旨として事に当たって行きたいと思います。 We shall overcome. I do believe.

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