第二川崎幸クリニックトップ 院長の一言 一覧

院長の一言 一覧TOPに戻る

COVID-19 その29 まん延防止等重点処置

2021/04/09 変異株を中心とした第4波の足音が徐々に聞こえてきています。特に大阪、兵庫そして宮城には聞きなれない言葉‘まん延防止等重点処置’が発令されました。東京そして京都、沖縄も4月12日には発令されるとか。東京は緊急事態宣言を解除してわずか3週間でこの状況です。これは何を物語っているのでしょう。ウイルスのしたたかさあるいはウイルスを抑え込める事が出来ると思っている人間の慢心さでしょうか。実行再生産数(Rt)という言葉があります。これは感染者一人から平均何人にその病気を感染させるかという数字で、感染者数が減少に転じるのにはRt<1にならなければならないそうです。これについてScience15 Dec2020には対策の組み合わせとして‘10人以上の集合禁止+バーなどの飲食店の閉店+休校’でRt=1程度、これをRt<1にするためには‘10人以上の集合禁止+バーなどの飲食店の閉店+顔を見合わせる仕事の禁止+休校’だそうです。これだけの厳しい制約を課さなければ減少しないということは我が国で行っているような制限をしたぐらいでは減少を期待するのは到底無理なのでしょう。やはり一人一人の自覚はもちろんのこと、ワクチンの早期接種しかも多くの国民の接種が必要なのでしょうね。しかしながら我々医療従事者の多くはいまだワクチン接種について具体的な日程について通知されていないのが現状です。

COVID-19 その28 4月1日

2021/04/01 今日は4月1日。職場に新たな風が吹き込みました。新人の入職です。例年なら心浮かれる季節なのでしょうが、日常でいくつもの制約がいまだなされているコロナ禍では残念ながら、すっきりした気持ちで今日の日を迎えられていないのが現実です。報道では連日、範を示すべき厚労省役人の集団飲食それも時間破りの行動が論議を呼んでいます。国民が長期にわたる自粛生活を余儀なくされているにも関わらず、その規則を率先垂範しなければならない輩がこの様では我が国の行く末は暗雲立ち込めるといったところでしょうか。職場も同じです。迎える側のスタッフは新人諸氏に範を示すべく、日頃の行動をより一層しっかりとしなければなりません。そうすることが自らの向上にもつながり、さらには組織が盤石になると思っています。

COVID―19 その27   ワクチン

2021/03/08 今、日本中がワクチンをめぐり、何かと落ち着かない日々です。連日感染者数は報道され、その数字に一喜一憂する中、今はワクチン接種数も一部では報道されているとあるワクチン研究者は言っていました。この数字こそ国民の皆に知ってほしい。なぜなら希望の数字だからと。そのワクチン、これまで開発から実臨床までは10余年の年月がかかるとされていたものが今や一年足らずで実用化にこぎつけました。mRNAワクチンです。この新技術、たとえて言うなら自動運転の自動車やロケット開発にも通じるものだとか。それは一つの技術の開発でもたらされたものではなくあらゆる分野の技術革新の総力の結果開発されたものだからだそうです。新技術の産物だからなのか皆もろ手を挙げてワクチン接種という訳にはいかないようですし、ワクチンが嫌いな国の世界でもトップとされる我が国ではなおさらです。こんな話もありました。注射後の副反応という言葉、これは副作用の響きでとらえられがちですがワクチン研究者に言わせるとワクチンにより抗体がちゃんと産生された結果炎症性サイトカインなどの誘導により起こす一連の症状をいうのだそうです。この点ではこのような症状は主反応すなわち効果を表す一つのサインととらえてもいいのだそうです。ちなみに副反応の名付け親が厚労省の役人とか、そのワクチン研究者は私だったら主反応と命名し、皆が喜んで接種する環境を整えるのにと口惜しそうに話していました。この副反応はさておき、心配なのは接種後長期間後の影響、さらには次世代への影響です。かのワクチン研究者も言っていましたがその点は未知の世界故、明確なエビデンスもなく、わからないというしかないとのこと。それよりも今、目の前にあるリスクとワクチンによるベネフィットを考えればおのずと答えが出てくるとのお話です。社会免疫を高めて感染者数を減じることが今、最も大事なことであるのは医療者ならずとも多くの方はそう思っていると思うのですが。今回のワクチン騒動、歴史がその評価を示してくれるのでしょうね。

COVID-19 その26   コロナ禍のスポーツ

2021/02/25 2018年9月13日付けのこのコーナーで大坂ナオミの全米オープン初快挙について載せました。その時の彼女のはにかんだ優勝スピーチ。あの時は全米しかもセレナを破っての優勝だっただけにブーイングまで聞こえた一種独特の雰囲気でした。今回の全豪オープン。無観客や限られた数の観客の中といったコロナ禍の特殊な環境の中、試合に打ち勝ち堂々の優勝、そして余裕のスピーチにこの2年半の彼女の目覚まし成長ぶりを見ることができました。そしてゆるぎない女王の姿がそこにはありました。このような状況下でのテニスの試合開催についてはいろいろな意見があるのは当然だとは思いますが、間違いないのはテレビで観戦しているとき、しばし感染のことを忘れることができたのも事実。暗いニュースばかりの今、人は感動というものを忘れてはいけませんね。スポーツ、芸術は今このような状況だからこそ必要です。

COVID-19 その25 グレートリセット

2021/02/05 首都圏での緊急事態宣言が延長、そして新型コロナ特措法や感染症法が改正され入院拒否や飲食店の営業時間に対する命令、感染症法では患者受け入れ拒否病院への勧告や名前の公表などが決定されました。このあたりについてはすでに報道、新聞などで百家争鳴しているところですが、一方では範を示さなければならない国会議員、地方政治家の至らない行動など世間を騒がせています。そんな中、グレートリセット~ダボス会議で語られるアフターコロナの世界~と題した本を最近読みました。この本はこのコロナ禍の中、明日の世界にもたらす広範な影響とその劇的な意味合いについて多角的に考察することにした(P2)ものです。その中で‘歴史を振り返ると、ハリケーンや地震といった自然災害は人を団結させるが、パンデミックは逆に人を孤立させる(p233)’とありました。新型コロナについて不透明さ、そして治療法が定かでない今、不安感から疑心暗鬼になり、孤立化してしまうのでしょう。’今まで以上の協力体制がなければ、全人類が直面しているグローバルな課題に対応できないということに、人類ははっきりと気付いている(p237)’失敗したアイディア、制度、手続きやルールを、現在やこれからのニーズに合わせて早急に刷新しなければならない。これが、グレート・リセットの大原則だ’(p274)。私たちは今直面している難問に柔軟にかつ大胆な発想を持って相対していかねばならないのでしょう。

COVID-19 その24  一律

2021/01/20  非常事態宣言がここ神奈川県に発出されてから10日以上過ぎましたが、いまだ陽性者数は減少せず、重症患者数も連日最高数と報道されています。そのような中、飲食店の夜間8時以降の自粛が求められ緊急事態宣言に伴う時短・休業要請に応じた店舗への協力金が1店舗一律1日6万円に決定しました。これまで一日の売り上げがいくらであろうが一律6万円。中には普段の売り上げ以上の協力金が支給されるために喜んでいる人もいるでしょうが一方では雀の涙程度の金額に涙を流している方もいることでしょう。さて医療界では1月13日神奈川県知事より‘新型コロナウイルス感染症陽性患者の入院管理を現在行っていない病院において発生した陽性患者の入院管理の継続について’という依頼文が県下の病院に通達されました。これは陽性患者の入院管理を現在行っていない病院でも、当該 陽性患者を自院で継続して入院管理できる体制整備を行い、これまで重点医療機関・協力病院のみでおこなっていた陽性患者入院管理をすべての医療機関で受け入れ、行うというものです。現在の爆発的な状況そして入院待機している人数の急激な増加を鑑みれば致し方ない処置なのかもしれません。しかしながら懸念すべきはこれによりがん診療や、心臓・血管系、脳血管系など専門性の高いあるいは急性期疾患の医療を行っている施設まで一律にこの決定に従うことにより、これらの医療が影響され、その面での医療ひっ迫が生じる懸念もあります。一律というのは施行側にとってはやりやすい事ではあると思いますし、時間の余裕がない程にひっ迫している際にはやむを得ない策でしょうが、一方では’一律’によるDisadvantageを十分に検証し、しかるべき対応をしかるべき時期に講じなければ特に医療は危機的な状況になってしまうのではと案じているのは私だけでしょうか。

2021年年頭のご挨拶

2021/01/04      明けましておめでとうございます

仕事納め2020

2020/12/29この一年コロナ禍に翻弄され、四季の移ろいを感じぬままに過ぎてしまいました。今日は仕事納め。スタッフに以下の言葉を伝え締めといたしました。

COVID-19 その23 普通の生活に全力を尽くす

2020/12/18 昨日、東京のコロナ感染陽性者数が822名と報道されていました。この数字を見て驚き恐怖に駆られる人、これから益々増えていくであろうと冷静にとらえている人など様々な人がいることでしょう。大事な事は日頃からの備え、‘うつらない’そして‘うつさない’。でもそろそろ‘うつった時にどう対処して行けばいいのか’メンタル面、生活の面からも備えておかねばならなくなってきているようです。最近、作家の沢木耕太郎氏がこんなことを書いていました。かの大女優吉永小百合さんと修善寺で対談予定だった際、自分は電車で向かっていたのですがなんとその車両に吉永さんが2人連れでちょっと観光にという出で立ちで乗ってきたそうで、それが沢木氏の目には‘普通’に映ったそうです。そんなエピソードについて彼は‘吉永さんはあらゆる意味において普通だった。スターである吉永さんはある時期から’普通‘でありたいと願い、そのように生きることを意志している方だったのだ。~中略~細心の注意を払いつつ、全力で普通でありつづける。細心も、全力も、普通ということは相反する言葉であるかもしれない。~中略~ウイルスの流行というこの特別な状況においては、やはり’細心‘と’全力‘が普通であるために必須のものであるに違いないのだ。’私たちはこのような状況にあってまだ普通の事を当たり前に出来ると思っているのではないでしょうか。普通の生活が出来ることが当たり前だったのは既に昔の事、今は普通の事を細心かつ全力でする時代になってしまったことを一人一人が自覚しなければなりませんし、普通でなくなった時の心構えもしっかりしていなければならない、そんなことを改めて考えさせられました。

COVID-19 その22 暗黒のフェーズ

2020/12/01 Go to キャンペーンの議論に今だすっきりとした結論が出ていない日本。医療と経済の両立を謳う意味も分かるのですが、命がかかる感染症対策が中途半端になっているのも否めません。そのような中、重症患者病床の稼働率がついに50%を超え医療のひっ迫が声高に言われるようになってしまいました。感染者数は指数関数的に増加するのですからこのままでは今後、益々医療がひっ迫することは明らかと言わざるを得ません。さてひっ迫するということがどのような事か、まずは感染者について言えば病状が悪化しても治療する場所や設備が不足するということです。すなわち適切な治療がなされないことがありうるということです。このことについてオランダでは既に6月の第二波の頃からオランダの医療専門家連盟(Federatie Medisch Specialisten)と医療連盟KNMGは重症者用ベッドが不足するいわゆる「暗黒のフェーズ」で誰に優先的にICUベッドを与えるのかについての「プロトコル(手順、規則)」案を発表しました。まさに命の選択に順位をつけなければならないという極めて微妙かつ繊細な課題に対して目を背けることなく、議論していたということです(出典:山本直子氏https://note.com/naokoyamamoto/n/n0dfd77036d42 コロナ第2波に備えてオランダが取り組む「命の選択マニュアル」|Naoko Yamamoto|noteより)。このような命の選択という極めて重大かつデリケートな課題はそれが直面している時期に議論するのではなく、ある程度落ち着いている時期に先を読み行わなければなりません。医療の現場ではエクモや工呼吸器などが限られているがゆえに既に苦渋の選択を始めなければならないところが出ているのではないかと懸念しています。ましてやこのような状況を鑑みれば、我々一人一人が日々何をなすべきか、どのように行動すべきかはおのずと答えは出てくるのでしょう。