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COVID-19 その64 女王陛下とマスク

2022/09/21 女王の代名詞だったエリザベス女王がついにご逝去しました。享年96歳。幾多の試練を乗り越えながら常に国民のための生涯を貫かれたと識者の多くは語っていました。日本からもイギリスとの縁が深い天皇皇后両陛下がウエストミンスター寺院で行われた国葬に参加。その模様は我が国でもLIVEで放映されていました。その光景で驚いたのは式進行に関わる司教をはじめとしたスタッフは勿論、参列している各国の首脳、要人たちが誰一人としてマスクを着けていないことでした。天皇皇后両陛下は会場に向かうためにホテルから出た際には黒のマスクを着用しており、これは昨年4月にエリザベス女王の夫君フィリップ殿下がご逝去された際の葬儀に参列した方々が全員黒のマスクを着用していた事に習っての事と報道されていたのですが。マスク着用に関して欧州ではこれほどまでにノーマスクが一般的になっているのかと驚くと同時に我が国がガラパゴス化しているのではないかと不安に感じるシーンでもありました。

COVID-19 その63 全数把握の見直し

2022/09/06 日本のコロナ罹患数が世界一というニュースが先月から耳にすることが多くなりました。我が国では一日20万を超える陽性者数があり、さもありなんと思っていましたが、欧米では陽性者の全数把握がすでに見直されており毎日掲載されるジョンズ・ホプキンス大のデータはもはや参考値であり、増減の傾向を知る指標にすぎないとの専門家の意見があります。日本も9月2日から全数把握の見直しが政府より発せられました。この件に関しては当初全国の自治体からの要請が政府によせられていたにも関わらず2日から実施した県はわずかに宮城、茨城、鳥取そして佐賀の4県にとどまりました。なぜそのような事態が起こったのでしょうか?いろいろな意見があるものの、高リスクに対しての報告だけではその他の症状がある方に対するサポートが希薄になり、かえって医療機関をひっ迫させる事態が生じる懸念があるということが主な理由のようです。この時期一日20万人前後の陽性者数があるということはこの一か月で600万人前後、その中には無症状あるいは極軽症者は漏れている可能性もあり、もはや正確な数字把握は意味がないのかも知れません。数字よりも症状がある方に対していかに医療の提供を継続するかを考えること、そして各個人が症状が少しでもあったら自らの行動制限を課し感染拡大の予防に注力することなど本質的な対応が今は求められていると思います。

COVID-19 その62 夏祭りと涙

2022/08/18 第7波が全国を席捲した今年の夏、全国の各自治体は祭りや花火大会の開催についてさぞやその判断に苦慮し、苦渋の決断を下したところも多かったのではないかと思います。私は3年ぶりに開催されたふるさとの夏祭りにたまたま帰郷する機会がありました。駅の改札口を出た時、浴衣の若者たちを多く見かけ、街には祭りを告げる音楽が響いていました。その夜、いてもたってもいられず祭りが開催されている中心街に向かったのですが、そこは感染防止対策にはいかがかと思う光景が広がっていました。沿道には密になって踊りを見ている人々、そして踊り手たちの中にはマスクを外して踊っている人もいました。この様な光景に久しぶりに触れ最初のうちはなじめない自分がいましたが、ういつの間にか涙を浮かべている自分がいました。人と人とのふれあい、そして同じ空間を共有できる喜び、この2年半近く、忘れてしまっていた感情が一気に湧き上がっての涙だったのでしょう。この時期コロナ感染防止対策はもちろん大事ですが、経済のためだけではなく、皆で喜びを分かち合い、笑いそして楽しむという人としての基本的な思いをいつまでも忘れてはならない、そんな事を思い出させてくれた夏祭りでした。

COVID-19 その61 受診控え指示とオンライン診療

2022/08/04 急激な陽性者数の増加で発熱外来がパンク状態であることは先日のこのコーナーでも述べましたが、そのような状況を踏まえ日本感染症学会をはじめとした4つの学会は軽症者に対して受診を控え、自宅療養を促す呼びかけを8月4日付けで出しました。また神奈川県では抗原キットを住民に配布し、セルフチェックによる自主療養を促す通達を出しています。このように第7波の急激な患者数の増加は医療への受診を控える方向で進んでいます。医療受診の制限は果たして患者目線に立っての考えなのでしょうか。当院では第7波における発熱外来への集中の現状を見、早い時期からセルフチェックにて陽性と出た軽症者に対してオンライン診療を開始してきました。モニター越しに見る皆さんは一様にオンラインで医療とつながったことに対する安堵の色そして症状を抱え不安な夜を過ごしている方々が医師との対話により安心し、また処方を受けられることでさらに安心しています。我々医療者は単に‘軽症者の受診は避けて’のメッセージを出す前にやることがあるのではないかと思います。コロナ禍でこれだけ一般化されたオンライン技術を医療も大いに活用すべきです。これらの技術を今こそ最大限に利用し、これまでの医療の在り方を変えながらフレキシブルな対応で医療の継続をすべき時期に来ています。医療とは求められる医療に応えることが大事であり、求める門を我々医療者自らが閉ざしてはなりません。

COVID-19 その60 発熱外来とオンライン診療

2022/07/22 全国でのコロナ陽性者数の増加が止まりません。東京ではついに30000人越えを記録、また全国でも20万人近い新規陽性者数が報告されています。まさに第7波到来です。この影響で発熱外来を訪れる数は激増し、診察までに長蛇の列を作ったり、予約枠が一杯で1週間近く待たされるということも耳にします。受診希望者の中には手持ちの抗原検査キットや検査センターでのPCRが陽性となったためコロナ感染者として認定される目的で発熱外来受診を希望している方も多く含まれています。このため症状がある方々までもが発熱外来の予約を取りにくい状況が生じているのです。このような状況を打破するため、当院では医療機関以外での検査で既に陽性と判断されている方々を対象にオンライン診療を開始しました。モニター越しに対面で診察し、検査結果を確認して診断することにより発熱外来を本来の形にするための方策の一つと考えての実施です。この混沌とした状況では各自が知恵を絞り、今あるツールを最大限に利用しながら物事に対応しなければなりません。オンライン診療が発熱外来の混乱を少しでも緩和する一助となればと思います。

COVID-19 その59 BA.5,BA.2.12.1

2022/07/07 7月に入り、コロナ陽性者数の前週比が各地で倍増の日が続いています。全国でもついに4万人を超えてしまいました。この理由の一つとして感染力が一段と高いオミクロン株の派生株BA.5,BA.2.12.1 に置き換わりつつあるのが一因と識者は述べています。増加と平行するように医療施設でのクラスターがあちこちで再燃し、一般診療特に救急の現場に影響を与えています。第7波に入ってしまったのでしょうか。今回の特徴は第6波での咽頭痛主体の症状とやや異なり、高熱、全身倦怠感とのこと。重症化率についての詳しいデータはまだ出ておりませんが、症状を見る限りでは、これまでのオミクロン株よりは重症化してしまうのではと懸念されます。

開院7周年を迎え

2022/07/01 本日朝礼でこんな話をしました。

COVID-19 その58 サル痘

2022/06/23 最近、サル痘なる感染症を耳にすることが多くなりました。その発生は欧米からついにお隣韓国まで及んだそうです。COVID-19 とはどんな違いがあるのでしょうか?まずは我が国の感染症分類での違いがあります。COVID-19は現在2類すなわち感染力が強く、就業を制限し、入院を勧告されますが、サル痘は4類に属し(黄熱病や狂犬病。ちなみにインフルエンザは5類)保健所への届け出義務はあり、消毒は必要ですが就業制限や入院勧告はありません。サル痘は1970年にヒトでの感染が発見されて以来、中央アフリカや西アフリカにかけて流行していました。今回は流行地への渡航歴のない感染者が欧州で流行したため問題となったのです。感染症としては潜伏期間が6~13日、発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0~5日程度続き、発熱1~3日後に顔面、四肢を中心に発疹が出現します。発疹は水疱→膿疱→痂疲となっていきます。多くの場合には2~4週間で自然軽快しますが患者状態によっては重症化することもあります。感染は接触性感染がメインであることもCOVID-19とは異なります。私たちは今‘感染症’‘流行’に敏感になっています。確かな知識を持ち、いたずらに恐れることなく日々暮らしていきたいものです。

COVID-19 その57  修学旅行

2022/06/10  2年半続いているコロナ禍もようやく規制緩和の声が聞かれるようになってきました。教育の現場でも校内でのマスク着用を緩和したり運動会をはじめとした学校の行事も再開されつつあります。修学旅行についてもしかり、徐々にですが県外への移動も緩和され手探りでの実施が各地で始まっています。私が関わっている‘福島まちづくり体験活動協議会’もその一つ。これまでの見学中心の修学旅行と違い、体験型を主体にした修学旅行を最近企画実施しました。横須賀市にある中学校が福島県裏磐梯小野川湖にあるキャンプ場での体験や県内各地での職業体験などを行ったのです。3.11以来、復興のためにいろいろな分野の方々が頑張っている福島県の施設を見学・体験することにより社会に触れ、将来の職業選択の一助とすること、またキャンプ場での集団生活を通しお互いの絆を深め、さらには災害にも強いサバイバーを育成することを主な目的としています。コロナ禍をきっかけにこのような修学旅行が新しいNew normalになっていったらと思います。

COVID-19 その56  4回目

2022/05/27 我が国でもワクチンの4回目接種が本格的に始まろうとしています。対象は60歳以上の高齢者と基礎疾患など重症化リスクをもつ18歳以上となりました。12歳以上の全国民を対象とした3回目接種と比べその対象がかなり制限されています。また特筆すべきは第1回目のワクチン時、医療従事者に先行接種していたのですが、今回は対象から外されました。このことについては医療界などから不安の声が漏れているとの意見もありますが、これまでの経験そしてデータからワクチン接種が感染予防ではなく、あくまでも重症化予防であるという結論に達したからなのでしょう。この点からも一般の風邪に対する対応に1歩も2歩も近づいてきたようです。次第にコロナとの共生になっていくのでしょうね。一方、免疫が落ちている方が入院している医療施設での規制緩和はまだまだ先のようです。これは重症化予備軍の集団がいる施設ですから規制緩和からほど遠いのもうなづけます。その意味でも医療従事者はもうしばらく気が抜けません。