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COVID-19 その33 ワクチンの優先枠

2021/06/10  ワクチン接種については医療従事者枠に始まり、65歳以上の高齢者枠の接種が本格化しています。現時点(2021年6月7日時点)で一回目接種終了が約1400万人、2回目接種終了が480万人だとか。全人口に対して一回接種した割合がようやく10%を超えたとのことです。今話題になっているのが大企業をはじめとした職場での接種で各企業は国への登録に躍起になっているとのことです。またすべての世代への接種券送付を始めようとしている自治体もあります。早く接種数を上げ、社会免疫を高めることにより感染者数の減少を目指す事はもちろんですが、このワクチン接種に対する優先枠、忘れてはならない事があります。それは感染すれば重症化することが危惧される基礎疾患を有する方々です。この方々への案内が現時点ではご本人が各自治体に申請し登録することにより初めて接種券が送られるという仕組みのため、行政によっては接種券発行の段取り、スピード感に優劣ができているのが現状ですし、また自ら登録申請するという仕組みを知らない患者さんたちも少なからずいるという現状を広く知ってもらわなければなりません。行政はこの分野に対する周知は各かかりつけ医に任せていると言いたいのでしょうか?優先枠を考えるとき、敵は感染症なのですからまずは健康弱者を優先しなければならないのは自明です。このような基礎疾患を有する方には接種券なしでも接種できるようなflexibleな対応をしてもいいと思うのですが。

COVID-19 その32 倦怠感

2021/05/27 2回目のワクチン接種が終了。施行前から一回目よりは反応が強く出ると脅かされていただけに打つときには多少の緊張と、体がどう反応すある意味楽しみでもありました。副反応については本コーナーの2021年3月8日にも書きましたが副作用ではないこと、抗体を産生する際の体の反応、すなわち産生がいかになされているかのバロメータでもあると専門家が言っていました。さて2回目の接種が終了。その日は何ともなく経過し、翌日の朝礼では高齢者に副反応が多いと言われていますが高齢者である私には注射部位の多少の痛みだけで特に支障はありませんと一種誇らしげに報告しました。が午後になり、首回りの凝り、そして手指が暖かくなり、ついには動くのもつらくなってしまいました。これが副反応と思ってはみたものの、何もできず仮眠をとるしかないと割り切り、デスクでひと眠りすること2時間余り、うつろうつろの浅い眠りでありましたが、起きた時には体からスーッと倦怠感が抜けるような不思議な感覚となり、その後は普段通りの状態に戻ることができました。このスーッと抜ける感じはこれまでに経験したことのない不思議な感覚であり、これが副反応?と思った次第です。その間、平熱でした。あるスタッフは高熱を発し、倦怠感が丸一日あったとか。食欲不振、嘔吐が出たスタッフなど注射部位の痛み以外にも人によっては多彩な反応がでるのがこのワクチンの特徴と言えるのかもしれません。まあ何事も経験ですね。

COVID-19 その31 延長

2021/05/07 5月の連休、東京は昨年同様に非常事態宣言下で過ごすことになりました。これで2年越しのGolden week ならぬ非常事態week。いつになったらと国民の多くは感じていることでしょう。お天気よし、季節よし、ただ人の心は一層曇るばかりです。そして東京、大阪を中心とした一都3府県は非常事態の延長を決定、また愛知、福岡も宣言を出すようです。一方、市民レベルでは宣言慣れ?のせいか繁華街への人出が昨年五月の連休よりも多いとか。政府がそして各地の行政府がいくら声高に自粛を叫んでも今や人心が離れているのでしょうね。最初が肝心と昔から言われているにも関わらず、オリンピック開催や経済優先を思ってなのか徹底した規制を行うべき時を見いだせずにだらだらと今に至っているようです。二兎追うものは一兎をも得ず、昔から言われている言葉です。頼みの綱はワクチンと多くの人たちが異口同音に唱えています。そのワクチン、医療従事者への接種が本格的に開始されています。当院スタッフも4月下旬からようやく開始。高齢者ましてや一般の方々の接種時期にいたってはいつのことになるのやら。こんなところでも日本の後進性が露見されてしまいました。感染対策や機能分担を明確にした医療施設の受け入れ体制の整備といい、ワクチンの予約・配送システムといい、いつのまにかDeveloping countryになってしまったのでしょうか?がんばれ、ニッポン!!!

COVID-19 その30 3回目

2021/04/27 4月23日東京 大阪そして京都、兵庫県に3回目の非常事態宣言が発出されました。前回もこのコーナーで記しましたが、まん延防止等重点措置は残念ながら中途半端な措置であり、効果が薄かった事実は否めません。やはりRt<1すなわち感染者数を減少に向かわせるにはそれなりの決断が必要なのでしょう。東京ではデパートの営業自粛、飲食店での酒の提供禁止、ライブなどの開催中止、屋内運動施設、ジムなどの休業、また県をまたぐ移動の停止、テレワークの7割実施などを謳っています。なぜ酒ばかりがターゲットなのでしょうか?という意見もあります。店を追われた若者たちは路上飲みをしているとか。決まりをかいくぐる者たち、いつの世の中にも必ずでてきます。いっそエッセンシャルワーカー以外の外出禁止にしなければこの国の若者たちは規律ある行動をとれないのでしょうか。政府も制限する以上は目的、理由そしてその必要性をしっかり国民に伝えるべきです。

COVID-19 その29 まん延防止等重点措置

2021/04/09 変異株を中心とした第4波の足音が徐々に聞こえてきています。特に大阪、兵庫そして宮城には聞きなれない言葉‘まん延防止等重点処置’が発令されました。東京そして京都、沖縄も4月12日には発令されるとか。東京は緊急事態宣言を解除してわずか3週間でこの状況です。これは何を物語っているのでしょう。ウイルスのしたたかさあるいはウイルスを抑え込める事が出来ると思っている人間の慢心さでしょうか。実行再生産数(Rt)という言葉があります。これは感染者一人から平均何人にその病気を感染させるかという数字で、感染者数が減少に転じるのにはRt<1にならなければならないそうです。これについてScience15 Dec2020には対策の組み合わせとして‘10人以上の集合禁止+バーなどの飲食店の閉店+休校’でRt=1程度、これをRt<1にするためには‘10人以上の集合禁止+バーなどの飲食店の閉店+顔を見合わせる仕事の禁止+休校’だそうです。これだけの厳しい制約を課さなければ減少しないということは我が国で行っているような制限をしたぐらいでは減少を期待するのは到底無理なのでしょう。やはり一人一人の自覚はもちろんのこと、ワクチンの早期接種しかも多くの国民の接種が必要なのでしょうね。しかしながら我々医療従事者の多くはいまだワクチン接種について具体的な日程について通知されていないのが現状です。

COVID-19 その28 4月1日

2021/04/01 今日は4月1日。職場に新たな風が吹き込みました。新人の入職です。例年なら心浮かれる季節なのでしょうが、日常でいくつもの制約がいまだなされているコロナ禍では残念ながら、すっきりした気持ちで今日の日を迎えられていないのが現実です。報道では連日、範を示すべき厚労省役人の集団飲食それも時間破りの行動が論議を呼んでいます。国民が長期にわたる自粛生活を余儀なくされているにも関わらず、その規則を率先垂範しなければならない輩がこの様では我が国の行く末は暗雲立ち込めるといったところでしょうか。職場も同じです。迎える側のスタッフは新人諸氏に範を示すべく、日頃の行動をより一層しっかりとしなければなりません。そうすることが自らの向上にもつながり、さらには組織が盤石になると思っています。

COVID―19 その27   ワクチン

2021/03/08 今、日本中がワクチンをめぐり、何かと落ち着かない日々です。連日感染者数は報道され、その数字に一喜一憂する中、今はワクチン接種数も一部では報道されているとあるワクチン研究者は言っていました。この数字こそ国民の皆に知ってほしい。なぜなら希望の数字だからと。そのワクチン、これまで開発から実臨床までは10余年の年月がかかるとされていたものが今や一年足らずで実用化にこぎつけました。mRNAワクチンです。この新技術、たとえて言うなら自動運転の自動車やロケット開発にも通じるものだとか。それは一つの技術の開発でもたらされたものではなくあらゆる分野の技術革新の総力の結果開発されたものだからだそうです。新技術の産物だからなのか皆もろ手を挙げてワクチン接種という訳にはいかないようですし、ワクチンが嫌いな国の世界でもトップとされる我が国ではなおさらです。こんな話もありました。注射後の副反応という言葉、これは副作用の響きでとらえられがちですがワクチン研究者に言わせるとワクチンにより抗体がちゃんと産生された結果炎症性サイトカインなどの誘導により起こす一連の症状をいうのだそうです。この点ではこのような症状は主反応すなわち効果を表す一つのサインととらえてもいいのだそうです。ちなみに副反応の名付け親が厚労省の役人とか、そのワクチン研究者は私だったら主反応と命名し、皆が喜んで接種する環境を整えるのにと口惜しそうに話していました。この副反応はさておき、心配なのは接種後長期間後の影響、さらには次世代への影響です。かのワクチン研究者も言っていましたがその点は未知の世界故、明確なエビデンスもなく、わからないというしかないとのこと。それよりも今、目の前にあるリスクとワクチンによるベネフィットを考えればおのずと答えが出てくるとのお話です。社会免疫を高めて感染者数を減じることが今、最も大事なことであるのは医療者ならずとも多くの方はそう思っていると思うのですが。今回のワクチン騒動、歴史がその評価を示してくれるのでしょうね。

COVID-19 その26   コロナ禍のスポーツ

2021/02/25 2018年9月13日付けのこのコーナーで大坂ナオミの全米オープン初快挙について載せました。その時の彼女のはにかんだ優勝スピーチ。あの時は全米しかもセレナを破っての優勝だっただけにブーイングまで聞こえた一種独特の雰囲気でした。今回の全豪オープン。無観客や限られた数の観客の中といったコロナ禍の特殊な環境の中、試合に打ち勝ち堂々の優勝、そして余裕のスピーチにこの2年半の彼女の目覚まし成長ぶりを見ることができました。そしてゆるぎない女王の姿がそこにはありました。このような状況下でのテニスの試合開催についてはいろいろな意見があるのは当然だとは思いますが、間違いないのはテレビで観戦しているとき、しばし感染のことを忘れることができたのも事実。暗いニュースばかりの今、人は感動というものを忘れてはいけませんね。スポーツ、芸術は今このような状況だからこそ必要です。

COVID-19 その25 グレートリセット

2021/02/05 首都圏での緊急事態宣言が延長、そして新型コロナ特措法や感染症法が改正され入院拒否や飲食店の営業時間に対する命令、感染症法では患者受け入れ拒否病院への勧告や名前の公表などが決定されました。このあたりについてはすでに報道、新聞などで百家争鳴しているところですが、一方では範を示さなければならない国会議員、地方政治家の至らない行動など世間を騒がせています。そんな中、グレートリセット~ダボス会議で語られるアフターコロナの世界~と題した本を最近読みました。この本はこのコロナ禍の中、明日の世界にもたらす広範な影響とその劇的な意味合いについて多角的に考察することにした(P2)ものです。その中で‘歴史を振り返ると、ハリケーンや地震といった自然災害は人を団結させるが、パンデミックは逆に人を孤立させる(p233)’とありました。新型コロナについて不透明さ、そして治療法が定かでない今、不安感から疑心暗鬼になり、孤立化してしまうのでしょう。’今まで以上の協力体制がなければ、全人類が直面しているグローバルな課題に対応できないということに、人類ははっきりと気付いている(p237)’失敗したアイディア、制度、手続きやルールを、現在やこれからのニーズに合わせて早急に刷新しなければならない。これが、グレート・リセットの大原則だ’(p274)。私たちは今直面している難問に柔軟にかつ大胆な発想を持って相対していかねばならないのでしょう。

COVID-19 その24  一律

2021/01/20  非常事態宣言がここ神奈川県に発出されてから10日以上過ぎましたが、いまだ陽性者数は減少せず、重症患者数も連日最高数と報道されています。そのような中、飲食店の夜間8時以降の自粛が求められ緊急事態宣言に伴う時短・休業要請に応じた店舗への協力金が1店舗一律1日6万円に決定しました。これまで一日の売り上げがいくらであろうが一律6万円。中には普段の売り上げ以上の協力金が支給されるために喜んでいる人もいるでしょうが一方では雀の涙程度の金額に涙を流している方もいることでしょう。さて医療界では1月13日神奈川県知事より‘新型コロナウイルス感染症陽性患者の入院管理を現在行っていない病院において発生した陽性患者の入院管理の継続について’という依頼文が県下の病院に通達されました。これは陽性患者の入院管理を現在行っていない病院でも、当該 陽性患者を自院で継続して入院管理できる体制整備を行い、これまで重点医療機関・協力病院のみでおこなっていた陽性患者入院管理をすべての医療機関で受け入れ、行うというものです。現在の爆発的な状況そして入院待機している人数の急激な増加を鑑みれば致し方ない処置なのかもしれません。しかしながら懸念すべきはこれによりがん診療や、心臓・血管系、脳血管系など専門性の高いあるいは急性期疾患の医療を行っている施設まで一律にこの決定に従うことにより、これらの医療が影響され、その面での医療ひっ迫が生じる懸念もあります。一律というのは施行側にとってはやりやすい事ではあると思いますし、時間の余裕がない程にひっ迫している際にはやむを得ない策でしょうが、一方では’一律’によるDisadvantageを十分に検証し、しかるべき対応をしかるべき時期に講じなければ特に医療は危機的な状況になってしまうのではと案じているのは私だけでしょうか。